帳簿で困った時

新しく事業をはじめられた人や青色申告をお考えの人のために、 国税に関する手段や、記帳・記録保存期間制度の概要、青色申告のあらましを説明しています。

記帳の仕方が分からないときは?

事業用資産の減価償却など適正に処理をしていないと次年度以降に影響するものもありますので、事業をはじめられた年は、那珂川市商工会にご相談ください。また記帳のほかに決算や申告についてもご相談ください。

那珂川市商工会税務相談所税務相談入会申込書

事業をはじめたら・・・必要な申請・届出

1.開業届出書

事業をはじめたら開業等届出書を開業した日から1ヶ月以内に所轄の税務署に提出します。

2.青色申請承認申請書

青色申請をしようとする方は、「所得税の青色申告承認申請書」を原則として開業した日から2ヶ月以内に所轄の税務署に提出します。
既に事業をおこなっている方で、新たに青色申告をしようとする年の3月15日までに所轄の税務署に提出します。

3.青色事業専従者給与に関する届出書

事業に従事する家族に対して給与の支払いがある場合に必要な届出です。
家族への支払う給与については、原則として必要経費とすることができません。

しかし、青色申告をおこなう方で「青色事業専従者給与に関する届出書」を提出されている方については、届出書に記載された金額の範囲内で、支払った金額(労務の対価として相当な金額)を必要経費とすることができます。

4.源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書

従業員や青色事業専従者に給与を支払う場合は、給与を支払う際に所得税を源泉徴収し、支払日の翌月10日まで所轄の税務署へ納付します。

給与等の支払を受ける従業員等が10人未満の場合には、「源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書兼納期の特例適用者に係わる納期限の特例に関する届出書」を提出することにより、納付を年2回にすることができます。

1月から6月までの支給に係わる消費税の納期 7月10日
7月から12月までの支給に係わる消費税の納期 1月20日

この特例は申請書を提出した月の翌々月の納付分(翌月の支給分)から適用されます。

5.電子申告・納税等開始届出書

国税に関する申告、申請・届出及び納税手続を行う場合、電子申告・納税等開始届出書を所轄の税務署に提出します。この届出書は、インターネットを利用したオンライン提出が可能です。

所得金額の計算と帳簿書類の備付け等

事業所得の金額は、その年の総収入から必要経費を差し引いて算出します。
確定申告を行う際は、その事業所得等に係わる総収入金額及び必要経費の内容を記載した収支内訳書を添付しなければなりません。

なお、作成した帳簿や作成・受領した領収書等の書類については
5年間保存しなければなりません。また、その年の「前々年分」または「前年分」の事業所得などの合計額が300万円を超えている場合は、記帳を行うとともに、その帳簿を7年間保存しないとなりません。

青色申告では・・・

帳簿に基づいた売上、仕入れ、必要経費等から青色決算書を作成することにより所得金額を算出し、その青色決算書を確定申告書に添付しなければなりません。

なお、作成した帳簿は7年間、作成・受領した領収書等の書類については5年間保存しなければなりません。
青色申告に必要な記載の方法は、記帳の程度により「簡易帳簿による方法」、「正規の簿記による方法」、「現金式簡易簿記による方法」の3つに区分されます。

青色申告って何ですか?
青色申告って何ですか?所得税は、納税者の方がご自身で自らの所得を計算し、申告と納税をするという申告納税制度を採用しています。

この制度は、納税者の方がご自身で正確に所得を計算できることを前提にしています。青色申告は、毎日の取引を正しく記帳し、その記帳に基づいて正しく申告する人に、税金の面で特別に有利な取扱いをしようというものです。

福岡国税局の管内でも、約20万人の方々が利用されています。

青色申告はだれでもできるの?

事業所得者、不動産所得者及び山林所得者が利用できます。青色申告は事業所得者、不動産所得者及び山林所得者が利用できます

事業所得者 小売業、卸売業、製造業、加工業、サービス業、建設業、農業、漁業、医療保険業などの事業による所得のある人
不動産所得者 家屋、土地、アパート、店舗、駐車場などの賃貸による所得のある人
山林所得者 5年を超えて所有する山林の伐採又は譲渡による所得がある人
正しい記帳は、税金のためだけ?
記帳に不安があるいう人は、 記帳方法について一定の期間、専門家(税理士)による 無料の指導を受けることができます。事業内容の診断に大きく役立ち、経営の改善や合理化などにつながります。
難しい帳簿はわからない人には、簡易な帳簿によることもできます。

記帳に不安があるという人は、記帳方法について一定の期間、専門家(税理士)による無料の指導を受けることができます。

記帳ってどうやるの?

■ どんな帳簿をつければいいの?

原則は仕訳帳や総勘定元帳などを備えて複式簿記の方法で記帳していただくのが原則です。
しかし、特例として次のようなものがあります。

標準簡易帳簿  現金出納帳、売掛帳、買掛帳、経費帳、固定資産台帳の5種類
収支日計式簡易帳簿  その日の入・出金、掛売り、掛買い等を一冊に記録
現金式簡易帳簿  その日の入・出金を1冊に記録
(ただし、一定の小規模事業者に限られます)

■ ご存じですか?青色申告でなくても記帳・記録保存が必要です。

記帳・記録保存記帳制度
前々年分または前年分の事業所得、不動産所得及び山林所得の合計額が300万円を超える方は、日々の取引を記帳し、その帳簿書類を7年間保存しなければなりません。

記録保存制度
事業所得、不動産所得及び山林所得のある方で前々年分又は前年分の確定申告書を提出された方は帳簿制度に該当しない場合でも帳簿や書類を5年間保存しなければなりません。

収支内訳書添付制度
事業所得、不動産所得の申請をされた方は、確定申告書に収支内訳書を添付しなければなりません。

記帳が不慣れなんですが?

記帳の仕方がわからないときは、
最寄りの税務署へお気軽にご相談ください。

また、帳簿の記帳や決算・申告について、専門家による指導をお受けになりたい方には、次のような指導機関がありますので、指導を希望される場合は、税務署個人課税部門へおたずねください。

商工会(商工会議所)
税務相談所
税務相談入会申込書
商工会、商工会議所及び税理士会により
運営されている小規模事業者のための税務機関で、
低料金で指導(記帳代行を含みます。)を行っています。
青色申告会青色申告者を中心に組織されており、
税理士会から派遣された税理士が記帳、決算、申告の指導等を行っています。
税理士会 税理士は税理士法によって資格が与えてられており、
税務書類を作成したり、税務代理や税務相談ができます。

 

青色申告をするには?

1)所得税の 青色申告承認申請書
2)青色事業専従者給与に関する(届出・変更届出)書
3)源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書兼納期の特例適用者に係わる納期限の特例に関する届出書

に必要事項を記入して税務署へ提出してください。

青色申告承認申請書の提出期限は、青色申請をしようとする年の 3月15日までです。
なお、1月16日以降新規に開業された方は、事業開始の日から 2ヶ月以内となります

青色申告と白色申告の違いは?

問)青色申告にはいろいろな特典があると聞きましたが、どのようなものがあるのですか?

答)それぞれ適用するには一定の要件がありますが、主な特典は次のとおりです。

1)青色申告特別控除
(青色申告者だけがみとめられており、記帳の程度等により控除があります。)
2)青色事業専従者給与
(事業に従事している家族がいる場合、適正な給与として実際に支払われた金額を、必要経費に算入することができます。)
3)純損失の繰越し
(赤字を翌年分の所得から差し引いて、なお引ききれない場合、最長3年間、繰り越すことができます。)
4)貸倒引当金
(年末の売掛金や貸付金のうち特定の部分を除外した金額に対し、5.5%《金融業は3.3%》の割合を乗じた金額を必要経費に算入することができます。)